深煎りの魔女とカフェ・アルトの客人たち ロンドンに薫る珈琲の秘密 (宝島社文庫)
73点
書店でふと目に留まって読んでみた本。
読んでいる途中も、読んだ後も、強く感じたのは、あたたかさ。
暖かいカフェラテがこの本でよく出てくる飲み物、このカフェのマスターは奥ゆかしくて心が暖かい、このカフェはとても暖かそう、訪れる人もやはり心は暖かい、そこに流れる雰囲気も・・・
まるでこの本自体がほんわり熱を持っているかと思われるほど、暖かさを感じた。
そう思わせるような文章が本当にすてきだった。
ただ、最後のオチは、ちょっとよくわからなかった。
(私は女性的な感性はやや苦手な気がしているのだが、そうではないと思った。この本の作者の感性は(たぶん女性だと思うのだが)こまやかで暖かい。 こういう感性に出会うと、いいなあと思う。
一方で、少し暗くて、やや病的な感性も女性的な作品に多い。こういう感性は、私は苦手なのだ。)
感想の感想
「ほんわかする雰囲気のある良い物語でした。」
→同感。話題性のある本ではないため、もしかしたら有名にはならないかもしれないけれど、すてきだった。
「西の魔女が死んだ」を思い出した。