65点
リベラ、言わずと知れたヤンキースのおさえである。
しかし、その性格、生い立ちは全く知らなかった。無口で、無愛想で、しかし速い球を投げ、カットボールが得意の、鉄人のようなおさえ・・・そんなイメージだ。
この本では、そんなリベラが決してそれだけではないことを知ることができる。
人間的で、性格が豊かで、そして信仰を持っている、ということがわかる。
野球の試合の話と、知らない選手の話がどうしても多く、その意味では退屈な記述に感じられるところも少なくない。
それでも、一度読んでみて損のない本だと思う。
一番心に響いたのは、リベラの信仰。
あらゆるこの世の現象に、神の意思を見る、その考え方が、彼を支えてきたといえる。
宗教というのは日本ではそれほどいいイメージはない。
私も、思考放棄ではないかという印象を少なからず持っている。
しかし、リベラの信仰は、ちょっとそれとは違う。もっと本質的な、彼自身の性格、性質と切っても切れないものになっている。
もともとは貧しい漁師の息子であったリベラがいかにして、ヤンキースに入り、その後、いかに苦しい思いをして、これほど有名になったのか、というその過程だけでも、楽しく読めると思う。