本の感想の感想

読書の後の備忘録

「白夜行」の感想・書評

白夜行 (集英社文庫)

 33点

子供のころの二人が、重い過去を共有して、犯罪とともに生きていく、そんな話。

いいところは、なんとか最後まで飽きさせないこと。また、美人も出てくるし、徐々に犯人を追い詰めていくところなど、まさに映像化しやすい内容になっていることだろう。

でも、私はあまりおもしろく感じなかった。確かにストーリーは展開していくのだが、それだけ。深みがない。心に響かない。

こういうふうに思うのは、主人公とヒロインに温かみが少ないということもあるだろう。

 感想の感想(カギ括弧内はamazonから引用)

「先が気になる展開で最後まで読めました。とても良い作品で、もう一回読みたいと思う内容です。」

→先が気になる展開なのは確かだが・・・良さは私にはわからなかった。

「数多くのエピソードが緻密に練り上げられ、その語り手である登場人物も多彩で、主人公二人の人物像と背景を浮かび上がらせる。が、最後まで主人公自身が本人の視点で語られることはない。そして、二人が接点を持つ描写もない。」

 →これはおっしゃるとおり。一番知りたい部分を、直接知ることができないところにいくらか余韻がある。これは魅力だといえる。