本の感想の感想

読書の後の備忘録

「妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)」の感想・書評

妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)

 52点

 

未来に起こることが、確率によってわかる世界、そんな世界で、様々な確率を人が調べる。それによって、様々なドラマが生まれる。

そういう内容。

もともとネット小説だったらしいのだが、うまい、と思わせる。

「確率が分かる」という特徴を上手に使って、人と人の心の関わりを生み出しているのだ。

そのうまさが作品としての世界を作り出している。

一方、惜しいのは、そのうまさを除くと、ちょっと色合いに乏しいこと。人が暖かさ、悩み、葛藤、等がそれなりに書かれているのだが、読者に迫る要素が足りない。

そこがもっと加わったら、今後の作品はもっと期待できる。

 

感想の感想(カギ括弧内はamazonから引用)

「良作だけどグランプリ作にしてはパンチ不足」

→同感。

「逆に、書籍版しか知らない方にはWEB版を読んでもらいたいと思っている。

書籍版には収録されていない妻側の視点、義父視点というのがあるからだ。
これは、人によっては夫側よりも感動するくらい素晴らしい話になっており
グランプリ受賞は、実はこの3つの総合評価によるものだと私は推測している。」

→妻側の視点、養父視点というのがあるのか!それはぜひ読んでみたい。

このコメントからは、この作品への思い入れが伝わってくる。

このコメント者によると、書籍版は他の視点が記載されていないために評価が低くなっているのではないかということだ。