本の感想の感想

読書の後の備忘録

「砂漠」(伊坂 幸太郎 )の感想・書評

砂漠 (新潮文庫)

20点

 

書店で並んでいるのを見て、思い出した。

読んだ時のことは、今も忘れない。

私はこの本を読んだ後、あまりにも内容がないと感じ、心に砂漠を感じるほどのむなしさを覚えたのである。これが「砂漠」という題名の由来なのか?と思ったのだ。

訴えるものが何もなかったと感じた。

今読んだら同じ感想を持つかどうかはわからないが。

なお、東堂という大変魅力的な女性が出てくる。

 

「もともと私は青春小説というジャンル自体の楽しみ方がわからず、特に大きな事件が起きるわけでもなし架空の人物の淡々とした日常なんてつまらないよ、と思っているクチなのですが、この作家の書く青春小説を読んでからは少しこのジャンルの楽しみ方がわかったような気がします。」

→この感想は、私の感想と背中合わせだ。私は青春小説というジャンル自体を楽しまないわけではなく、本によっては大いに憧れを抱く。が、この本のような淡々とした日常はやや苦手だ。さらに言えば、この本は決して淡々とした日常とは言えないが、その非日常に対する扱い方が、ことさらに美しくしようと『感じさせようとしている』気がして、抵抗を感じた。

「設定に、そもそも無理のあるものが多いという印象。
しかしそれ以前に登場人物が薄っぺら過ぎる。」

→この意見に全面的に同感

「伊坂氏の書く人間というのは本当に魅力的で、おもしろく自分というモノを持っている気がします」

→私は伊坂氏の「重力ピエロ」を読んで、何かわからないものが残ったことを覚えている。だから伊坂氏は何か魅力があるなあと思った。この本はともかく、伊坂氏の作品をすすめる人は多いので、他の本も読んでみたいと思う。