本の感想の感想

読書の後の備忘録

「陸王」の感想・書評

陸王

 

75点

 

この作者の本は、色々出ていることを知っていたのだが、著作を読んだのは初めてだ。

かなりのボリュームだったが、一気に読んだ。

大変良かった。

 

印象に残ったことは二つ。

一つ目は、「仕事をしたいな」と思ったこと。

人は、自分がやりたいと思う仕事をしているときに、生き生きとできる、ということをイメージできた。

これから仕事に就く人は、自分もメーカーで働きたい、あるいは営業をしたい、あるいは開発をしたいという、そういう仕事への夢を持てるようになるだろう。

今仕事をしている人も、自分の仕事にプライドを持ってやりたいと思うだろう。

そういう気持ちにさせてくれるということが、すばらしいと思う。

 

もう一つ。いい場面はたくさんあるのだが、私が心を動かされて泣きそうになったのは、「もっと、強くなりたかったなあ。強くなりたかったなあ」という言葉。

この本の本線とかかわりが深いというわけではない。でも、この言葉が響いた。

それは、この本が、全体として上に書いたようなプラスの人間が多く書かれているからだと思う。だから、この言葉が響くのだと思う。

 

そうそう、おそらく寺尾聡が演じるのだと思うが、特許を持っている彼、彼は登場人物中、最高だった。

 

感想の感想

「零細企業が大企業相手に幾多の困難に立ち向かう姿勢が自分に勇気を貰いました。」

→同感

「「小よく大を制す」による逆転劇につながっていくプロセスに引き込まれていき、あっという間に読み終えました。」

→まさにそう。小が小だからこそ強い、というのは魅力だし、現実感がある。私のお気に入りのアイスクリームの店があるが、そこはもちろんチェーン店ではない。店主がこだわりぬいて作り上げたそのアイスは、日本のどこを探してもないと思う。これが小の強さ、あるいは魅力だ。