本の感想の感想

読書の後の備忘録

「ウケる技術」水野 敬也 (著) の感想・書評

  ウケる技術 (新潮文庫) 水野 敬也 (著)

 

この本は、相当にいい本。85点以上。

 

 

この本は、人と話すのが苦手だな、とかどうしてあの人はあんなにおもしろいことが言えるんだろう、と考えている人のために書かれた本といえる。

 

会話におけるコミュニケーションの方法にはいろいろあって、それを数多く説明している。全部使えるわけではないかもしれないけれど、いろいろ試してみれば、きっと自分に向く方法が身につくはず。

 

実は私もこの本を読んで感銘を受け、さっそく、合コンであった女の子とのラインに使ってみた。その結果、普段数回しか続かないラインが、20回以上も続いたことをよく覚えている。(もっとも、最終的に次の飲みにつなぐことはできなかったが・・・)

 

また、この本からは

「会話はサービスである」

という自分が全く思い至らなかったことを教えてくれた。

なんで、会話で相手にサービスする必要があるのか、と思う人もいるかもしれない。

そうかもしれない。

でも、サービスだという面もあると思って会話をして、それで、気持ちよくお互いに会話できれば、それはそれでとても幸せなことではないだろうか。

 

もう一つ、すばらしいことがある。

この本は、「技術」を伝える本だ。それなのに冒頭で

「技術は技術に過ぎない。大切なのは心である」

という意味のことを書いているのだ。

 

心が大切であることはわかっている、でも技術がないと伝わらない、だから皆さん、これを読んで学んでほしい、でも、それでも、やっぱり大切なのは技術なんだよ、そう伝えてくれているのだ。

 

この冒頭を読んで、その後をより熱心に読んだことを覚えている。

こんなことを書く人ならば、きっとその後の内容もすばらしいだろうと思ったからだ。

 

ちょっと軽すぎる、という印象を持つ人もいるかもしれない(私も実はちょっとだけそう思っている)。

その点は、自分でこのほんの技術を使うときに、うまくバランスをとる、ということにしてはどうだろうか。