本の感想の感想

読書の後の備忘録

小説

「この嘘がばれないうちに」の感想・書評

47点 コーヒーが覚めるまでの間だけ、カフェの中で過去に戻ることができるお店の物語。 「コーヒー」「過去」「思い出」「涙」などから、いい物語が紡ぎだされる雰囲気がある。 そして、確かにいい物語が多かった。 ただ、物足りない、という感想である。 …

「皇帝と拳銃と」の感想・書評

68点 刑事コロンボ・古畑任三郎と同様、犯人と刑事のやり取りを楽しむ刑事もの。 おもしろい。 やっぱり、まずはこの設定がいい。犯人が分からない普通の推理物だと、事実関係や設定を頭に入れるのがそれなりに大変。その点、この設定だと、最初から、スリ…

「望郷」の感想・書評

51点 故郷に縛られた人々の物語。 犯罪がらみの話もあれば、そうでない話も。 小さな作品が複数載っている。 暗い人々、暗い島、暗い内容、そういう中にあって、希望や、幸せのようなものも含まれている。 この作家は、本当に暗い醜い部分を描き出すのがう…

「リバース」の感想・書評

65点 湊かなえを最初に読んだのは、「告白」だったと思う。爆弾がらみの、暗い暗い小説だった。 思わず引き込まれるような気もして、しかし、それほどでもないような気もして・・・何とも言えなかった。 ただ 「グロテスク」 という印象も強かった。 こん…

「勝手にふるえてろ」の感想・書評

23点 綿矢りさの小説で覚えているのは「蹴りたい背中」。 「蹴りたい背中」は学生の頃、先生が感想で 「私はどうしても蹴りたいと思えなかったのよ」 と言っていたので、読んでみた。 私は蹴りたいという気持ちがわかる気がした。 そのときにこの綿矢りさ…