35点
電車が止まるというアクシデント、それがいろいろな人にいろいろな影響を与える。各人各様の影響を。これが内容。
電車が止まるということを切り口に、色々な人の人生を切り取って見せるという発想はいいなと思う。ただ、その切り取り方は、あまり私の好みではなかった。
なぜか。
リアリティが強い。そして、あたたかいことばかりでない。つらくて、楽しくて、がんばって・・・そういうものが並んでいるだけでは、私は小説としての魅力が少ないと思う。
同じような作品でも阪急電車 (幻冬舎文庫)は違う。阪急電車は、切り取り方が暖かった。そして、ちょっと非日常が混じっていて、小説らしかった。
あくまでも私の好みだが。
感想の感想
「作者もよいしょされて後悔してるんじゃあないかな。」
→ちょっと自分の感覚がおかしいのかなと思いながら、他の方の感想を見て見つけた感想。ほっとした。最近の作品を見ているうちに、広告が立派でも偽物が多いことが分かってきた。
「電車という密室に乗り合わせた人には、当たり前だが、それぞれに生活と人生がある、ということを、あらためて、認識させてくれる一冊。」
→たしかに。ただ、この感想は、あたたかい感動の小説に対する評価とはいいにくい?