本の感想の感想

読書の後の備忘録

「地域でいちばんピカピカなホテル」の感想・書評

地域でいちばんピカピカなホテル

 

 55点

 川六というホテルの話。

経営が悪化した後、経営方針を変え、掃除や声かけなどを改善してホテルを復活させたという実話。

当たり前のことをきちんとやって、業績を回復させたというところがちょっと目を引く。

 

私が印象に残ったのは、優先順位をはっきりさせているところ。

例えば、お客さんが荷物を部屋に運んでほしいと注文しても、それが要介護者等でなければ、断る。それは、そういうサービスをしていたら、人がもっと必要になり、現在このホテルが目指している経営方針とは異なってしまうから。

それから、リピーターが重要ということから、会員のための空き室をぎりぎりまで確保しておく。その部屋は、非会員が急に予約したいと電話をかけてきても、なるべく開けたままにしておく。(その日の売り上げよりも、潜在的な会員の満足度を優先する)

 このような、何を大切にするかをはっきりさせていることが、実は一番の行政回復の理由ではないかと思う。

 

もう一つ、いいなあと思ったことがある。

それは、①会社内で飲み会があるということと、②社員の仲が良く、かつモチベーションが高いということ。

これは、無関係の事柄ではないと思う。つい最近読んだ本のなかでも、その二つの関連性が書かれていたからだ。

そういう組織に所属できるということは、幸せだろうと思う。

 

なお、そこまで点数が高くならなかったのは、タイトルのインパクトほどには内容が新鮮ではないと思ったから。